中小企業もベトナムに進出すべきってお勧めするのだ
来月(2014年3月)にベトナムに拠点を開設することになった。なぜベトナムなのか?
踏み出せば
その一足が道となり
その一足が道となる
迷わず行けよ
行けばわかるさ
ということである。
「行けば分かる」
って部分が大きい。
現地駐在1名を含めて5名の現地拠点を作るために、ベトナム人の面接を行った。
今回は16名面接をしたのだが、優秀な人材が多く実り多い面接だった。
プログラマを主に募集したのだが、今回はプログラミングのテストを行った。
この程度のプログラムは本当は書けてくれなければ困るのだが、正直この程度のプログラムの実装できないプログラマーが多いのである。っていうか、知名度のない会社には、なかなかまともな方が来てくださらない(涙
すっぽこなプログラマ3人雇うなら、1人ちゃんとした人を雇ったほうがずっといい。
プログラマのパフォーマンスって普通に10倍ぐらいは違う。
実はシステム開発の工程の中でプログラムを書いている時間ってそんなに長いものではない。
設計したり、テストしたり、修正したりって時間の方がはるかに長い。
プログラム書いている時間って全体の15%ぐらいしかないっていう統計もあったりする。
品質の悪いプログラムを書くと、その後のテスト、修正工程にべらぼうに時間がかかったりする。
プログラムが想定と違う動作をした時(いわゆるバグってやつ)に、その原因を追求して修正するのではなく、違う動作をした処理を迂回させたり、その後に正常な処理になるように付け加えちゃったりしてごまかすエンジニアに出くわしたこともある(怒
不具合の原因がわかっていないのだから、その後更に大きな不具合が生じて大パニックになったりする。 その後始末たるや、ちょっとしたプログラムの作成時間などの比ではない。
これはオーバーな例だけど、下手なプログラマはむしろ何もしないほうが生産性が上がったりするっていう例である。
それくらい、違うのである。
さて、ベトナム人の面接では短い時間の中でプログラムを書かせた割には、シンプルで美しいプログラムを書いてくれたのでとても嬉しかった。
こんな方がたくさん応募に来ていただけて大変嬉しかった。
2次面接ではビジネス要件からER図を書いてもらうテストを行った。
その時は今回採用するコミュニケーターの方にビジネス要件を伝えていただいたのだが、ちゃんと過不足なく伝わったし、実際に良い設計であった。
ホント、ブラボーである。
実装力、設計力申し分ない(と思う・・・)。
ベトナムも日本もプログラマの平均レベルはそんなに変わらない、むしろずっと日本のほうが高いのではないか?と思う。
しかし、ベトナム人が日本の企業に応募してくるっていう時点において、一つフィルターがかかっているのが重要なファクターなのだろう。
アメリカのシリコンバレーにある中小ベンチャーが、日本の中でITエンジニアの求人を出したとする。
そんな求人に対して、三流の自覚があるエンジニアは応募しないはずだ。
例え給料が大した事なかったとしても、腕に自信のあるチャレンジャースピリットあふれるエンジニアばかりが応募するだろう。
これと同じようなことだと思う。
ベトナム人は日本人が好きである。
これは行ってみるとよくわかる。
憧れみたいな感情を持っている人が多い。
日本の中にいると、対日感情が良くない中国や韓国の意見ばかりが取り上げられる。
だから歴史的経緯として日本が進駐したことのある国は、日本に対して悪感情を持っているかのように思われるかもしれない。
でも基本的にはほとんどのASEAN諸国は日本が好きであるらしい。
ベトナム人は少なくとも日本人が好きである。
日本語の看板がそこら中にある。
日本人駐在員がいるからっていう理由だけではなくて、「日本」が一種のブランドになっているからである。
こんな店がそこら中にあるわけだ。
(寿司屋は結構あったが、食べてみた感じスーパーのお惣菜の寿司よりもおいしくない。これは現地駐在の人に聞いてみたがやっぱりうまくないらしい)
日本に対して好意があるため、いい人材が集まりやすいということは大きなアドバンテージだ。
そして、何といっても給与水準が低い。
「今、月給いくらもらってますか?」
って聞いてみると600$~750$といった答えが大多数だった。
900$もらっているって人も1人いたが、その人は有名コンサルティングファームに在籍している人だった。
日本だと普通に月給100万とかそんなレベルの人材かもしれない。
給与水準は日本の5分の1ぐらいだと思っておけばいいかも。
400$って人もいたが、暮らせるの?
って聞いてみたところやっぱりその給与だとしんどいらしい。
ちなみにホーチミンの中心地はかなり家賃が高く、東京とそんなに変わらない感じ。そこはデメリットかな。
その給与だとルームシェアしてもしんどいはずである。
中心部からバイクで30分ほど走ると郊外に出るので、そこら辺だとだいぶ安くはなるらしいので、大変な思いをして通勤するのは日本と同じかも。
ベトナムは鉄道網がほとんど発達していないので、国民の主な足はバイクである。
ここではホンダやヤマハが大活躍。
日本はバイク離れが激しいが、ベトナムはバイクがすごい。
昔の中国は自転車が道路を埋め尽くしていたってイメージがあったが、あれのバイク版。
人が道路を渡るときは、見渡す限りのバイクの川を渡る感じである。
で、面白いのが、悠々とまっすぐゆっくり歩いて渡るのである。
それでぶつからないのだろうか?とベトナム人に聞いてみたら、やっぱりぶつかるらしい。
でもあまり騒がないっていうのが日本人と違うところだそうだ。
バイクはほんとすごくってスクーターに家族4人乗りだったりとか、ホントすごい。
子どもを抱えながら、オートバイに乗っている様を見ているとイキイキとした生のエネルギーをダイレクトに感じる。
ホント感動だ。
若年層人口が多いので、伸びしろがあるっていうことはそんなバイクの波を見ているだけで感じる。
日本は結局不景気って言うけど、景気が悪いんじゃなくってこれが普通なんだと思うわ。
人口が減るわけだから、輸出産業以外は全体的には縮小再生産にならざるをえないわけなので仕方がない。
輸出産業も日本は賃金水準が高すぎるから(ベトナム人と面接していてしみじみ思ったが)こちらも存立することが難しい。
今の日本のアドバンテージって、平均的な教育水準が高いこと、インフラが整っていること、みんな日本語が話せること。
それしかない。
それがいつまでアドバンテージになるのか?
先行きかなり不安である。
ビジネスには目的があるから、その目的にあった手段を選定する。
でも私は思ったのである。
ベトナムに進出することが目的で、そのためにビジネスの構想を考えてもいいのではないか?
本末転倒なのだが、まじめにそう思ったのである。
それが吉と出るか凶と出るかなのだが、上記のような本末転倒な理由でベトナムに進出した日本人駐在員に話を聞くことができた。
「進出して大正解だった」
そうである。
雇用できる社員のモチベーションやレベルが高い。
賃金がとても安い。
成長性が高い。
もうやるしかないってことなんだと思う。
まあ、まだインフラが整っていないって部分はあり、計画停電があったりとかそんなことはあるが、メリットを考えればこんなデメリットはモノの数ではない。
さて、最後に事務所のロケーションについて書いて終わりたい。
このビル内に事務所を構えることになる。
ベトナムはきれいなビルは少ないのだが、とっても近代的なビル。
こういうところもやっぱりいい人を集めるっていう意味では有利なんだろう。
さて、このビルの反対側には面白いものがある。
作りたてのジュースを作ってくれる。
釣り銭を触った手で食べ物に触るのはまあ、ご愛嬌ってことで。
作りたてのシントーはめっちゃ美味しい。
この画面左手の白い服を来た若い女性は、今回通訳を担当してくれたツィ女史である。
日本語めちゃくちゃ堪能。
京都の大学に留学していたそうで、
「なんでやねん」
って、関西弁になるのが面白かった。
日本語が堪能な人がいれば、プロジェクトに齟齬をきたすリスクはかなり回避できる。
彼女の卒業した人文社会科学大学の日本語学科は英検でいうところの、準1級ぐらい?であるところのN2を取得しないと卒業できない。
そんな人がゴロゴロいるわけで本当にすごい国だわ。
最後の最後、このお店で買った塩漬けレモンのジュースがすごかった。
製造工程は、あのおばちゃんが梅酒ビンみたいな容器から塩漬けのレモンを取り出し、このプラスチックのコップに入れ、箸の後ろでつついてつぶして、山ほど砂糖を入れ、ザラメ状の氷を入れ水を入れてかき混ぜるといったものだ。
すごい量の砂糖が入っているにもかかわらずすごくしょっぱい。
しかもヘアトニックみたいな臭いのする強烈な飲料である。
私は好き嫌いなくなんでも食べるのだが、これはさすがに厳しかった。
※追記すると、ストローにレモンの種が詰まり全く吸えなくなった・・・
ツィ女史に
「これ誰が飲むんですか?」
って聞いたら、
「私結構飲みますよ」
だそうだ。
「体に良さそうじゃないですか」
だそうである。
恐るべしベトナム人である。
最後の最後の最後にベトナムのカントリーリスクを一つ書いておこう。
ベトナムの食生活にはエビが多い、しかもビールをよく飲む。
プリン体バンバンの食生活である。
痛風に気をつけなければならないのである。
ベトナム駐在の人から聞いたのであるが、めっちゃ痛いらしい。
ビールとエビに気をつけろということは重要なポイントかもしれない。
さて本日も恒例の蛇足
本日の懐メロは山下達郎の「SPARKLE」だ。
とろけるような南国の雰囲気がまさしくこんな感じ。素敵な国ですわベトナム。
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