営業担当者がいるから提供価格が高くなるとは限らない | 高田渡「値上げ」
「営業担当者がいる会社からモノやサービスを買うと割高になる。」
と一般には広く信じられている。
しかし、この考え方は非常に短絡的である。
SEOを始めとするWeb系のサービスの提供の購入を考える場合においても同様である。
営業担当者がいる会社から買うと高くなるから、購入先の候補から外してしまうというようなこともままみられるが、これは実にもったいないのだ。
技術者だけ5人でやっている会社があったとする。
極端な話5人分稼働させるための案件が常にめいいっぱいにあればいいのだが、仕事が思うように受注できず、稼働率が50%しかなかったらどうだろう。
半分は遊んでしまうため(研修とかするかもしれないけど・・・)、実際には割高に提供せざるを得ないのかもしれないのだ。
繁盛していないラーメン屋は高いかもしれない。
それはお客が少ないから高いという可能性があるのだ。店主が店舗を維持していくために高く設定しているかもしれない。
もっとたくさんお客が来れば、もっと安くできる可能性もある。
(まあ、こういった店はそのままだといずれつぶれるんだけど)
営業がもっと取れれば安く提供できるかもしれないということは重要だ。
さきほどの5人の会社が、もし専任の営業担当者を1名雇うことにより、稼働率を100%にすることができたらむしろ提供価格を低減できるかもしれない。
遊んでしまっているぐらいなら逆にディスカウントして稼働率を上げるって会社もあるが、それは賢明な判断とはいえないケースが多い。
契約を取る、言い換えればお金をもらうっていうのは、たとえたった1円であっても簡単なものではない。
契約を取ること自体が難しいのであって、金額が低くなってもそれに比例して契約が取れるわけではないのである。
言い換えれば、値段を高くしたからといっても、それに相応して契約が難しくなるともいえない。
そのサービスなり、商品なりの価値がが、それを購入しようと考えている人の思い描く効用を上回っていれば高くても買う人は買うし、下回っていれば誰も買わない。
っていうだけの話だ。
本当は100万円の効用があると思えるものを、10万円で買ってくれないならば、1万円にしたとしても買ってくれないだろう。
そんな話。
営業がうまくいってない会社っていうものは、10万円で買ってくれないんじゃ、しょうがない5万円にするべ。
っていう短絡的発想に行きがちである。
それは正しくなくって、
ディスカウントしても売れないものは売れないし、値段を倍にしても売上が契約数が激減するとも限らない。ほとんど変わらないかもしれない。
先ほどの例で言えば、10万円から20万円にしても大して変わらないかもしれないわけだ。
さて、まとめ
営業担当者を置く、置かないは、会社の利益の最大化という観点で考えられるべきだ。営業担当者を置くことによって利益が大きくなって顧客に還元できることもある。
また、顧客にとっての価値がある、ないによって適正価格は変動する。
営業担当者のいる・いないは価格に対しての大きなファクターではなくなる場合もある。
結局のところ、買おうと考えているサービスなり、商品が自分にとって適正な価格を下回っているかどうか?が重要なわけであって、営業担当者の有無というものは二の次三の次だということなのだ。
最後に今日の懐メロ
高田渡の「値上げ」である。
腹黒い為政者の欺瞞をコミカルに描いた傑作である。
未聴の方は是非、ご一聴あれ。
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